粉雪

□一片〜一片(ひとひら)の出逢い〜
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―半日後

江戸に着いた一行は降り立ち籠を担いでくれた人に代金を支払い歩きだした

『ここが江戸か…』
「賑やかだな…」
「喧嘩起きないかしら」
「菫物騒な事を言うな」
「あら。火事と喧嘩は江戸の花というじゃないの」
にこやかに酷い事を言う菫

蓮ははしゃぎたいのを必死に抑えている

『んっ?』
ふと後ろが気になりそちらを向く

「雪人様どうされました?」
翡翠が気付き問い掛ける

『誰か…来る』
その後三人はふわりと屋根に飛び乗った
「「「待て〜ぇ!」」」
「「『!?』」」
黒い着流しを着た手負いの青年を鬼気迫る表情をしたむさ苦…暑苦しい親父達が刀を抜きながら追い掛けながらこちらに向かって来る
「あっ鬼ごっこだ♪」
一人嬉しそうに言う菫
「‘鬼ごっこだ♪’じゃねぇだろう人が襲われてるんだぞ」
すかさず突っ込む蓮

『待ちな!』
強く叫びふわりと青年を守るように飛び降りる

「何だ貴様は」
「引っ込んでろ」
「ソイツは俺達の獲物だ」

‘獲物’その言葉に雪人の何かが切れる
『うざい…消えろ…』
そう言った次の瞬間激昂して飛びかかってくる男達

―ザシュザシュザシュ!

次の瞬間居合いで三人は無残に切り裂かれて倒れ臥す

青年は驚きの表情で見る

何故なら雪人は両手で同時に居合いを放ったからだ

「雪様ずるい!一人くらい残してくれてもいいのに」
むくれて言う菫
「菫そんな事言うもんじゃない」
翡翠が窘める
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