溢れいずる思い
□其の六
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次の日…
俺は朝餉の後雪を話し合いに呼ぶ為に離れに向かう
離れに着き…
「雪人……」
声を掛けても返事が無く俺は嫌な予感がした
―スパン!
襖を勢いよく開き中に入ると…
「!?…っつ雪!」
真っ青な顔をした雪人がうつ伏せに倒れていた
―吐いたようだな…
畳に吐捨物があった
呼び掛けても反応は無く…
見ると朝餉の膳が半分位減っていた
俺は口を濯がせるために井戸に向かった
―ドタドタドタ…
渡り廊下に俺の足音が響く
「おい!廊下を走るな!」
そう言って副長が広間から顔を出す
「!?斎藤何があった?」
雪人を抱え鬼気迫る様子で走る俺に驚愕して聞いてくる
その声を聞きいつもの面子がやって来る
「雪!うわ真っ青」
「すみません少し井戸に行って来ます」
「!ああ…行って来い」
俺の言葉に察してくれた副長がそう言ってくれる
「俺…朔弥に知らせて来る…」
そう言って走って行く平助
―一体雪音に何が起こっているんだ?
俺は雪人を抱えて走りながらそう思った。