テニスの王子様 BL小説

□そうして、紡いでいく(塚不二)
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ほのかな灯りが点いたバーに乾と不二は、綺麗な色のカクテルを見つめながら、深刻な面持ちで話していた。
「ねぇ…乾ぃ……どうして僕…女じゃないんらろぉ…」
元々酒に弱いくせに、相当な量の酒を飲み、舌が回っていない不二は今にも泣きそうになって言った。
「だが…手塚とは想い合っているんだろう?」
アルコールの力を借りて話しを話す不二に、乾は至極真面目に答える。
「うん…。恋人じゃにゃくて、ただ想い合ってるらけだけど。…僕はそれれ、良かったんらと思ってる…れもね…僕が手塚の為に作ったユニフォームを着てるのをみりゅと、手塚の想いに男ってだけで答えらりぇないのが、悔しくて…」
不二は一大企業の社長、手塚はプロテニスプレイヤーという肩書き。そして、同性愛者という現実。そんな、大きすぎるものを背負っていた2人は、恋人としてはいられなくなった。それでも、2人はまだ互いに愛し合っている事を知っていた。ただ、想いだけを知っているだけの関係。
不二も手塚も、今までのただの元部活メンバーという関係よりはマシだと、『友達以上恋人未満』という関係を選んだ。
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