ガンダム00 BL小説

□永遠の螺旋
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生臭い、血のような匂いの錆び付いた雨が自分へと降り注いだ日を思い出した。それは、未来を奪ってゆくソレにとても似ていた。
誰かの為なんてつぶやいて悪魔に跪く。自分の為である事を否定したかった。そうする事で、自分は悪魔に跪く事を赦されると思っていた。繰り返されてゆく自分の中の醜くも終わることなき闇。
自分が突き刺した絶望の鋼…それは、凍り付く月の夜に突き刺した。それが、自分のエゴであるとも気づかずに。
人はみな羽根を失って墜ちてゆく…あらがうこともできず、永遠の螺旋のように…それが運命(さだめ)だと、墜ちてゆく。ただ遠く、永遠に続いていく絶望のように…羽根を失い絶望に埋め尽くされ、飛ぶ事を止めてしまった鳥のように。なぜ、もっと早く気付かなかったのだろうか?自分達は墜ちてゆく中でも、何かが出来るという事を。
神々の唄を聞きながら眠りについたころ、涙の跡は流星に変わる。その神々の声こそは、君の声と知り得たから。絶望と期待の二重奏(デュエット)を自分に奏でさせた君と愛しあう事は、赦されない事…。まるで、アダムとイブのように。
過ちと正しさの間で揺れながら、それでも君は叫ぶだろう…生きるために。
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