企画物小説

□Merry birthday
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「誕生日おめでとう。越前」

不二が楽しそうに、席につきながら越前に祝いの言葉を告げた。

「有り難うっす」

それに、越前はいつものように淡白に返した。

「それにしても、クリスマスイブが誕生日なんて、凄いね」

「でも、あんたも、四年に一回ってだけで充分凄いと思うっすよ?」

「ん〜そうかもしれないけど、特別な日じゃないから。だって、クリスマスは一大イベントだよ?」

「そうっすね」

不二の言葉に納得した越前は、素直に相槌をうつ。

「でも、クリスマスってキリストの生誕を祝うんだよね。僕は、そっちに興味はないからさ、毎年クリスマスイブとクリスマスは越前の生誕を祝うよ」

毎年、という言葉に越前は驚いた。
不二は、永遠は勿論だが、十年間や一年間ずっと続く約束はしない。

越前は以前一度だけ、何故なのかを聞いた事があった。
その時不二は、いつもの笑みで、いつ死ぬか分からないし、不確かなモノに約束はできないと、言っていた。
だが、今確かに毎年という言葉が出たので驚いたのだ。

「先輩がずっとなんて言うなんて初めてっすね」

「そうだね。でも、これは特別。だって、今日は君の誕生日でクリスマスなんだから」

「??」

訳がよく分からず越前は、眉間にシワを寄せる。
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