ほん
□なんとなく思い出す
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「しーぶやー!こっちこっち」
今日はダイケンジャー村田と不利な原宿で買い物をしている。俺、渋谷有利。
・・。オシャレな街は敷居が高いよなぁ。
あんまり自慢できることではないが俺の私服の趣味は最悪らしい。
今朝もお袋と一悶着あったばかりだ。
ヤツは事もあろうに俺の超お気に入り星模様Tシャツをひらひらさせながら、
「もー、ゆうちゃんたらこんなもの着て。ダサいって言われたらどーするの。キモいって女の子に嫌われちゃっても知らないんだから!」
といいながらゴミ箱にいれようとしたのだ。
泣きそうな気分でそれを救出しながら、
「・・オシャレになって女の子にもててやる!」
と飛び出したわけで。
「ここの店が女の子からも人気が高いんだ」
メンズもレディースも置いてあるクールな店。
村田は、勉強だけでなく流行にも敏感だ。
女の子にもてようと努力している姿には尊敬すらおぼえる。野球バカな俺。
店のなかを一通りくるっと廻ってみる。
洋服だけでなく、小物や雑貨も置いてあるようだ。