言の葉あ遊戯、

□11
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「ふー…良い風呂だったなぁ」

9時から始まるドラマに夢中になりすぎてお風呂に入るのが10時になってしまい、今は11時過ぎだ。脱衣場から出れば出入り口の隣に焔乃が立って待っていた

「主様、お着替えは?」

「部屋に忘れてきたみたいなんだよー」

入る時と変わり映えのない私に眉を寄せて聞いてきた焔乃は理由を聞いて、なるほど、と頷く

「あ!アイス!」

「?…アイスですか」

叫んだ私に焔乃が復唱しながら袖口に腕を入れた

「パピコが食べたい!ちょうど着物のままだし買いに行こー。来い、焔乃!」

「御心のままに、主様」

クスリと微笑んだ焔乃の横をすり抜けて駆け足で玄関に向かえば、正面からおじちゃんが歩いてくるのが見える

「おじちゃん」

「琴美ちゃんじゃねぇーか。どこか行くのかい?」

ペカーと笑うおじちゃんの真似をしてペカーと笑えば、おじちゃんは笑みを深くして煙管を吹かした

「主様がアイスを食べたいとおっしゃるのでコンビニに参ろうかと。ぬらりひょん殿は何か欲しい物はありますかえ?」


「そうじゃなぁ…あ、ハーゲンダッツの抹茶が食べたいのぅ」

「お高いのにいったねぇー!分かったー、買ってくるねー!」

「気をつけるんじゃぞー!」

玄関に向かう為に、また足を動かしておじちゃんと別れる。後ろでは焔乃がおじちゃんに軽く会釈をして私の後ろを着いて来ていた

「近場のコンビニに行こう!」

「主様、急がなくてもコンビニは逃げませんよ」











***

「……………」

「……………」

「パピコの白桃味って人気だったっけー?」

「答えかねますね」

かれこれ5、6軒はコンビニ巡りをしているのにパピコの白桃味が売り切れとはどういうことだ。仕方がなく、一番街を抜けた先にあるコンビニに向かっている最中なのだが…

「何故、人がいない」

「確かに、先程から見当たりませんね。それに獣臭いですよ」

一番街と言えば、ちょっと大人な感じの店がある通りだ。12時を過ぎた今なんてある意味一番人が多いはずなのに誰も居ない

「ねぇねぇ、君ー」

不意に聞こえた声に焔乃と共に振り向けばホストのような男が1人、2人……5人いた。嫌な感じの人たちだ

「君って三代目の許嫁だよね?」

「主様、お下がりください!」

三代目と聞いた瞬間、素早く焔乃が前に出た

「君たちだぁれ?」

「星矢さんがお前を探している。来い」

誰だ、星矢やって

「ヤダ。パピコ買いに行くから、他の人当たってよー」

「あ?来いっつってんだろ!」

「オイ!時間がねぇ!無理矢理連れていくぞ!」

「っ!」

「囲まれちゃったねー」

ニッコリ笑っているが、流石に冷や汗が出始めた





111030 りん汰

 

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