言の葉あ遊戯、

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ザァアっと強い風が吹いたと同時に琴美が着ている服が重たくなった。少しだけだが、いつもより視界が高い気がするなぁ、と思った琴美は率直な感想を言葉にする

「……おも、い」

「ん?……あぁ、今日は満月だから妖力が抑えられない日ですね」

誰も居ないので人型へとチェンジしている焔乃は琴美を見下げ、真上に上がった月を交互にみて困ったように眉を下げた

学校に忘れた物を取りに戻ったは良いが、先に走っていたバスが事故に合ったため運営中止になってしまったのだ。徒歩を余儀なくされた琴美は焔乃を人型にさせ、トボトボと帰路についている最中に逢魔の時になってしまい、満月なのもあって妖怪化としてしまった。言霊という人間でもなければ妖怪でもない人成らざる者だが大して容姿は変わっていない。

髪の色と瞳の色が違ったぐらいの変化だが随分と印象が変わるものだな、と焔乃は自分よりもずっとしたにある頭を見ながらそう思った

一瞬で着ている服も変わってしまった為、重い重いと呟く琴美に苦笑を一つして片手でランドセルを引ったくり、もう片手で琴美を抱き上げる

「わー…」

「羽織を引きずっていましたよ、主様」

「きほんてきに、この着物は重いし長い。羽織がズレないためにつけている、すいしょうの玉たちが重いんだと思う」

「けどお美しいから良いではありませんかえ」

「なんだかなー」

ぶすーっと、膨れる琴美の胸元で水晶と水晶がカチリとぶつかり音を鳴らせた

「っ!…琴美様っ!焔乃殿!…はっ、…はぁ」

「…首無?…そんなに息を切らせてどうしたんだい?」

目の前から走りよってくる首無に焔乃は首を傾けながら聞く

「汗だくだくだねぇ」

だいじょーぶ?と懐に入れていた鉄扇を広げ、パタパタと首無のために扇いであげている琴美に首無は切羽詰まったような瞳で足元から頭までを凝視する

「お怪我はありませんか?」

「けが?ないよー。ね、焔乃」

「えぇ、ありませんね」

何かあったのかえ?と聞く焔乃に首無はガゴゼが色々やらかしまして、と言葉を濁す。ふむ、と考える素振りを見せた焔乃だがニコリと笑って首無を見る

「まぁ見ての通り、俺たちは無事だよ」

「なら良かったです。リクオ様が心配なされていたので」

「んー?リクオ君が?」

「うーむ。とりあえず、リクオ殿の所に向かうかい?主様」

「だねぇ…よーし。焔乃、おっきい鳥になって。はい、首無はランドセル持って」

「え?あ、はい」







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