言の葉あ遊戯、

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「まったくリクオ様。帰りが遅くなって心配して来てみたからいいようなものの」

ランドセルに数珠を引っさげて小さな体でリクオの体を軽々と持ち上げながら帰路につく鴉はネチネチと嫌みをリクオにぶつけた

「…………なぁカラス天狗、ボクって…人間なのかなぁ…?」

「え?…そりゃまぁお母様もおバア様も人間ですから…」

斜め上を向き、昔を懐かしむように思い出しながら呟いた鴉にリクオは「だよね!」と相槌を打ったが、それに被せるようにでも、と言葉を続ける鴉にリクオは眉を寄せる

「総大将の血も…当然…四分の一は入っております」

「よ、四分の一も…?」

「そうです。それに琴美様だって彼の有名な言霊の血を受け継いでいる妖怪に似た者でございます。琴美様のように堂々としていれば良いものを…」

「……………」

バッサバッサと羽を動かし続けた鴉のお陰で、見えてきた屋敷に高度を下げていく鴉ははて、と首を傾けた。ヤケに屋敷内が騒がしいぞ、と


「あ…か、帰ってこられた!」

「若!御無事で!」

「おお、若だ!」

「あれ、琴美様は?姿が見えないぞ」

ザワザワと騒ぎだす屋敷の者たちに鴉はランドセルを持ったまま問う

「どーしたのじゃ、皆の衆…」

地に降り立ったリクオに半泣きになっている雪女が、だって、と言葉にならない悲鳴を上げながら抱きついた。やんわりとそれを引き剥がしながらリクオは居間にあるつけっぱなしのテレビから漏れているアナウンサーの切羽詰まった声にピタリと動きが止まる

《中継です!浮世絵町にあるトンネル付近で起きた崩落事故で路線バスが“生き埋め”に…》

「えっ…!」

《中には浮世絵小の自動が多数乗っていたと見られ──…》

「なんで!?バスが─」

「おお、リクオ帰ったか…お前悪運強いのー……ってありゃ?お前さん琴美ちゃんは一緒じゃねぇーのかい?」

転がり上がるように居間に入ってきたリクオにテレビの前を占領していたぬらりひょんが気づき声をかけるが返事を返す事もなくテレビを食いつくように凝視するリクオに周りは生きておられた、よかった、と口々に言葉を発した


─アレのがすと30分後だよ─

(あのバスには琴美ちゃんも乗ってた)

─乗ろ、琴美ちゃんも乗ってるし!─


ドクンと高鳴る胸の鼓動にリクオは唖然とした表情で立ち尽くす。そんなリクオに青田坊は羽織を肩にかける勢いのままうぉおお!と泣きながら心配したと叫びだした。黒田坊も涙を流しながらワシの方が、と

「…助けに…行かなきゃ…」

グッと羽織を掴んだリクオは飛び出すように庭へとかけだした

「っ!…誰かっ、はきものを!」

「どこへ行くんじゃこんな時間から!?」




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