言の葉あ遊戯、

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「なんだよ〜!ず〜っと、山じゃんか!」

「あたり前だ!修業だぞ!」

「足いたいー」

そりゃあ1時間も山を登ってたら疲れるよね。先程から痛む頭に冷や汗が止まらない。でも置いて行かれると困るので必死に足だけは動かしている。みんな荷物持ってるのに何であんなにアクティブなんだろう。私なんて、あまりにも顔色が悪かったらしくリクオ君にトートバッグを引ったくられた。まぁ荷物がなくなっただけで、こんなに楽になったのだからリクオ君には感謝だ

「っは、はぁ…」

「大丈夫?琴美。顔、真っ青だよ」

最後尾を歩いていた私を気にしてか、戻ってきたリクオ君が手を差し伸べながら聞いてきた。自然とその手を取れば小さな体に似合わない力強い引きが私を上へと上げる

「…う、ん…大丈夫」

「大丈夫そうには見えないけどね」

「…はは、は」

笑う気力さえ起きないよ。乾いた笑みを浮かべていればリクオ君が額についた私の汗を指の腹ですくって取った

「ねぇ、そんなにボクって頼りない?」

「リク、オ君?」

悔しそうに顔を歪めるリクオ君に私は小さく笑って誰も見ていないのを確認してから、唇にチュッとキスをする。驚く彼に満面の笑みを浮かべた

「そんなんじゃないよ。頼れない人に手なんて差し伸べないもん、私ー」

繋いでいる手を少し持ち上げてプラプラと振ればリクオ君は笑って、まいったなぁと一言。キスしたのが今更恥ずかしくなった私は手をパッと離して上へと先に上がった

「うん?なんやろ…あれ…」

そんな声に足を止めて後ろを向けば花開院さんが林の奥、霧深い場所を見て首を傾ける

「小さなほこらに、お地蔵様が奉ってある」

「?…どこ?」

私がそう聞き返せば目を細めながら霧が深くてよくわからないと。花開院さんが見てくると言って林に足を一歩入れた所でリクオ君が叫んだ

「“梅若丸”って書いてあるよ!」

その言葉を聞いて花開院さんがそのほこらに近づいていった

「あっ、ホンマや」

そんな呟きが聞こえたみんなは林の中へと歩みを進めていくので、私も行こうと動いた瞬間、ズキンッ!と今日一番の痛さを誇るであろう頭痛が襲い、思わずその場で膝をついて目をギュッと瞑る

「っ、あ…いた、い」

ズキズキと痛む頭。ガンガンと何かで叩かれているような感じがしてならない。ポケットに入っている携帯のストラップから控えめに焔乃が語りかけてくるが答えれるほどの気力がないのだ

「大丈夫ですか?主様」

「……う、…だい、じょーぶ…うん。もう大丈夫、治まったみたい」

頭を抑えながら立ち上がってフッと気づいたがみんなが見当たらない。ほこらの方へて行ってみたが既にみんなはいなかった

「あれ…置いて…かれ、た?」

「………携帯で連絡を取ってみては?」

「あ、なるほど。──って圏外とか携帯仕事してよぉ」

圏外と表示されているスマホにロックをかけて、またポケットへといれる。リクオ君、氷麗ちゃん、私(たち)を置いていくなんて酷い




111102 りん汰

 

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