言の葉あ遊戯、
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「で、毛倡妓もここに避難してきたのかぁ」
「えぇ。まさか動きだすとは思いませんでしたよ」
扇でパタパタと冷や汗を乾かす毛倡妓にお疲れ様と声をかけてやる
「人様の家なのに花開院と言う人は礼儀をしらないんだねぇ」
毛倡妓が言うには、花開院ゆらという子が家の中を勝手に徘徊して妖怪探しをしているらしい。無礼にも程があるなぁ、と腕の中にいる3の口を撫で回した
「花開院家も堕ちましたね、主様」
「言うまでもない。そのゆらって子は妖怪を感知する能力は低いみたいだから、みんな命拾いしたよねぇ」
「お風呂場まで調べるんですから焦りましたよ〜」
「そんな所まで調べにきたのかい、毛倡妓?」
「いい迷惑だよ」
「氷麗ちゃんとか泣いてるんじゃないのー?」
クスクスと控え目に笑えば毛倡妓が呆れたような瞳を私に向ける
「部屋に引きこもっていますよ」
「そっかぁ。氷麗ちゃんも呼べば良かったね」
そうですねぇ、と笑いあっていたらドタドタと複数の足音が聞こえてきた。ん?と障子の方を見てみればいくつもの影が
「この部屋怪しいわ」
「ちょ!?その部屋ほんとダメだって!」
「ここから物凄い妖気がするで」
「なんだと!本当かい!?花開院君!」
「っ!…首無っ」
「え?…ゴッ!?」
可哀相だったが首無の顔面を鷲掴みにし、素早く押し入れを開けて投げ捨てた。焔乃もその意図に気づいたのか首無の胸倉を掴みながら押し入れに滑らせ、それが入ったのを確認してまた素早く閉める。それとほぼ同時にスパーンと良い音を響かせながら障子が開いた
「な!」
「え…」
「あ、さっきのお姉さん!それに如月さんも!?」
「琴美ちゃん!?なんでリクオ君の家に?」
上から順にリクオ君、噂の花開院ゆらだと思われる人、島君、カナちゃんが言葉を発する。清継君は私は眼中に入らなかったのか部屋の中をキョロキョロ見回していた