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□スキ、だからこそ
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俺はアイツの事が
大好きなんだ












だから














どうかこの関係を
壊さないで
















□スキ、だからこそ□















夕方のハードな練習も終え、
部員達はクタクタになった体を
なんとか動かし着替えを始める


部員達はある程度全員一緒に着替えを始めるので、
部室は一気に賑やかさをます…



『あー今日の練習もハードっしたねー』


赤也は汗でビショビショになったユニフォームを脱ぎながら、
誰か特定の人物に話かけるでもなく、言い放つ。

狭い部室内なので、誰が答えても可笑しくはないのだけれど
それを待っていたかのように、
ブン太は答える


『よくゆうぜ、1番バテバテで真田に怒られまくってただけだろぃ』



そう言いながら、口に含んでいたガムをプーっと膨らます。



『んなこと言われたってしんどいもんはシンドイんっス!!!』



若干怒りつつ、でも冗談を含んだ口調で赤也は口をとがらせた











その光景に不本意ながらニヤケてしまう俺がいる



………………可愛い過ぎるんですけど…………







そしていつも思うことがある

こいつは俺の気持ちを知ってて
わざとこーゆー顔してんじゃないか、
とか………
実は狙ってそんな顔してんじゃね?
とか………







まあ惚れてしまったから、そう考えてしまう、てことにはとっくに気付いてる
でも少しぐらいそんな夢を見させてくれてもいいじゃないか

どうせ叶わぬ思いなのだから










そんな俺の切ない思いをしるよしもないはずなのに、アイツは俺に向かって嬉しい言葉を投げ掛けてくれる














『丸井センパイ!!!もうあとは帰るだけっしょ!?腹減ったからラーメンでも食べて帰りませんか!!??』















翌々考えてみたら
アイツが誘うのは俺だけで













それは何?















期待をしてもいいんですか?














一瞬そんなことを考えて、
一瞬でその考えを捨てる











俺は精一杯の勇気で、アイツの肩を抱き寄せて
少しウェーブがかった黒髪をワシャワシャと掻き乱す


『仕方ねぇな、じゃ食べにいくぜ!!赤也が奢ってくれんだろぃ?w』

『え゛!!!!ここはセンパイが奢るところっスよね!!??つか髪乱れるんスけど?!!!』

『アハハハハ♪元から乱れてるみたいじゃねぇかwwよし、じゃあ俺のオススメのラーメン屋に連れてってやろぃ』













今のままなら幸せでいられるから
どうか今の関係を壊さないで









.end



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