戦国婆裟羅
□幸村の始めての御使い
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ある日の事…
「旦那ー?ちょっとお使い行ってくれない?今、俺様…手離せないんだよ」
洗濯物を干しながら苦笑いしながらも、幸村にお願いっと言うように頼む佐助。
縁側に居た幸村は、耳をピクッと動かし
「佐助に頼まれた始めてのお使いゆぇ、某頑張るでござる!!」
何処からか持ち出した槍を、雲1つ無い空に槍を突き上げる幸村
「某、佐助のお使いを命に替えても果たしてみせよう!!!!」
おぉぉぉおぉおぉ!!!!
と言って走り土煙を上げて出す幸村に佐助は思い出したかのように
「旦那に買い物メモと買い物カゴ渡してないのに……ちょっと旦那ぁ!?」
佐助の駿足を使い、幸村の後を追いかける武田のおかん。
はたから見れば、子供を影から見守る優しいお母さんだ。
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全力疾走している中、あるお婆さんが踞って座って居た
幸村はそれを見逃さす、通り過ぎたと思ったら、またお婆さんの前で急ブレーキし
「大丈夫でござるか!?」
心配そうに幸村は覗き込むが
「大丈夫じゃ…。お前の知り合いとか言っていた人がのぉ、これを渡してほしいと」
ヨロヨロと買い物カゴとメモを渡す。
幸村はそれをしっかり受け取ると…
「うむ、しかと受け取った!!!!それでは、某は行くので…御免!!」
また走り出し、突っ走る幸村。
それを見て、後ろ姿が見えなくなると…
「全く旦那は本当に慌てんぼなんだから…」
苦笑いしながら、お婆さんの変装を解く
でも何か心残りな佐助
「ちょっと心配だから、旦那の影から護衛でもしましょっかね〜★」
そんな決意をした佐助はまた走り出す。
すると佐助の影から…
「あいつ…何をこそこそと…」
美しのかすががその後を追う
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