創作本編
□第二章
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威勢よく開けたドア。見知らぬ少女。
「お、お前誰だよッ!」
声が震える。その少女の深紅の瞳がジッと成人をとらえる。
「・・・・怖いの?」
「へ?」
予想外の言葉。思わず間抜けな声がでる。
「ふふ、足震えてるわよ。・・可愛い。」
「んなっ!!!」
羞恥に顔が赤く染まる。自分よりも年下、ましてや絶対に自分よりも可愛いであろうその少女に可愛いと言われてしまった。しかも自分は男である。
「可愛くなんかない!」
「そんなことないわよ。ティアよりよっぽど可愛いわ。」
クスクスとお腹を押さえて笑う彼女。段々恐怖を感じなくなったのか、成人の足の震えはなくなっていた。
「とにかくお前誰?何でそんなにお菓子持ってんの?ティアって誰?」
成人が問い質すと、彼女はクスリとまた笑った。
「一気にきたわね・・・。私はカノ。本当はもっと長いんだけれど。ティアは私の妹で、ティアがお菓子食べたいってぐずったから。木下に頼んだんだけれど、遅かったから私が取りにきたの。」
一気に聞いたのは自分のくせに、彼女から聞いたことをうまく整頓できずに混乱する成人。
「え、と・・・お前はカノで、ティアが妹で・・・妹がお菓子食べたいって言ったから木下に頼んだのに遅いから迎えにきた・・・・ってこと?」
「・・・よくできました。」
なんだか馬鹿にされてる、
そう思った成人は顔をしかめた。