創作本編

□第二章
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それはカノと同じくらいの少女だった。
濃い赤紫の髪は一部分だけ長く、その部分が左上でくくられている。紫がかった藍色の瞳は右目が包帯で隠され、白い肌を包むのは、明らかに大人の男性物のTシャツ。
直感で成人は思った。この少女がティアだと。

「ティア・・・さん?」

呟くように言う。
連れ込まれた部屋の内装は御伽の国から飛び出してきたような王室だった。

「コれ、あゲル。」

不意に差し出されたのは、昼間にカノからももらったチョコレート。

「あ、ありがと・・・」

チョコレートを口にほおりこむ。
カノもそうなのだが、ティアも非常に整った顔立ちをしていた。しかし右目の包帯が不気味さを増させている。

「ネぇ、ティアのコと、知ってるノ?」
「え・・・一応。」
「そ。じゃアいイヨね?」

彼女が振りかえる。狂気の笑顔。


「ネェ、一緒にあソボうよ」






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