創作本編
□第二章
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「と・・・父さん?」
「!!・・・・ごめんな。」
父親の手から解放され、ほっと一息ついた。が、父親の目はいつになく真剣だ。
「で、成人。カノと何を話したんだ。」
「えっと・・・父さんの研究について?」
父親の顔色が変わる。それに気付いた成人は、
「研究内容は聞いてないから!ただ、何で父さんが俺達に教えてくれないかを聞いただけ。」
「・・・カノは何て言ってた?」
「家族だからこそ言えない、って・・・」
成人がそう言った瞬間、父親が勢いよく立ち上がった。
「成人、ついてきなさい。」
「え?どこいくんだよ。」
「いいから。」
腕を引かれ、車に詰め込まれる。
「いいか、今から行く所で見たことは決して誰にも言うんじゃないぞ。」
「母さん達にも?」
「あぁ。」
窓から流れる景色を眺めながら、成人は話出す。
「カノには妹がいるんだって。」
「・・・あぁ。」
「カノはだいぶ大人びてたけど妹はどうなんだろうな。」
「・・・・・・成人。」
「ん?」
車は灰色の建物の中へ。窓から離れ、前に向き直る。