今日はハヤテ君の16歳のお誕生日。
潮見高校時代のお話です。後半からR指定になります。ご注意ください。



「おいハヤテ、今日もバイトか?」

ここは潮見高校の一年の教室。綾崎ハヤテは同級生の山本ユウタに呼び止められ
た。

「あ、うん。そうだけど……」
ハヤテはカバンを脇に抱えて、歩き出しかけていた。

「相変わらず大変そうだな……」
ユウタはハヤテの家の事情をわかっている、数少ない友達だった。

「実はな、今日はハヤテの誕生日だったろ? プレゼントと言っちゃなんだけど
、コレをやるよ」ユウタは紙袋をハヤテに差し出した。
そこらへんの書店で買って来たような、無造作な包みだった。

「えっ?」

ハヤテは驚いた。
今まで友達が自分の誕生日を覚えてくれて、ましてやプレゼントまで貰った事は
ほとんどなかったからだ。

「いいの? 本当に僕が貰って……」

「あぁ、遠慮するなって」

「ユウタ君、どうもありがとう! でもゴメン。もう時間だから今から行くね」

「おう! じゃあまた明日なっ!」

ハヤテはユウタと分かれると、バイト先に急いだ。
そんなハヤテを脇から見ている一人の少女がいた。同じクラスの西沢歩だ。

そうか、ハヤテ君今日がお誕生日だったんだ。でも私知らなかったから、何も用
意してなかったな。
歩は自分の不注意さを恨んだが、今となっては、遅過ぎた。
今からでも何か買いに行こうかな?
うん、渡すのは明日でもいいよね?
歩はハヤテの後を追うように、教室を出て行った。

ハヤテはバイト先に付いた。時給が良いので始めた自転車便だが、ハヤテは気に
入っていた。

バイクに乗れればもっといいんだけど……。
自転車便も決して悪くはなかった。いや、他のバイトに比べると高給なほうだっ
た。でも、バイク便になれば、もっと高くなる。短時間で沢山の仕事をこなせる
らだ。

はぁ〜、僕もバイクの免許欲しいなぁ……。

今日から16なので、教習所に行こうと思えば行けた。
でも、教習所も授業料があるからなぁ……。
ハヤテはため息を付いた。
現在、通っている高校の授業料も、自分で払っているハヤテには、今はその余裕
はなかった。
でも、いつか、お金を貯めて僕も教習所に通うぞ!
着替えが終わったハヤテは、一段と身を引き締めて仕事場に行った。


ふぅ……。やっと終わった。

仕事が終わった時は、もうあたりは暗くなっていた11月なので、日が暮れるのも
早くなったのだ。

「ただいまぁ〜」
ハヤテは誰もいない自分の家に帰った。
おそらく、父親は賭け麻雀、母親はパチスロか何処かだろう……。

仕方ない、有り合わせのモノで何か作ろう。
ハヤテは冷蔵庫を明けると、わずかに残った食材で調理を始めた。

一人ぼっちの食事を済ませ、食器を片付けると、ハヤテはユウタから貰った包み
が気になった。

「はぁ〜。貰うのは嬉しいんだけど、お返しをしなくちゃいけないなぁ。ユウタ
君には何がいいんだろう?」

そう思いながら、ハヤテは紙袋から中身を取り出した。

「えっ、えええーっ!!」

中に入っていたのは、裸の女性の雑誌が数冊だった。
ハヤテも健康な男子の一人、これらの雑誌に興味がないわけではない。
父親が無造作に置いたグラビア系雑誌をこっそり見た事だってある。
だが、これらは明らかに成人向け雑誌だった。
普通のグラビア週刊誌とは、格別に内容も違う。
「ぼ、ぼ、僕にコレをどうしろと……」
ハヤテは気を落ち着かせる為に、一旦風呂に入る事にした。

ふぅ……。
風呂に入って汗も流した。後はもう寝るだけだ。まだ両親は帰って来ない……。

「ちょっ、ちょっとだけなら……」
ハヤテは好奇心を押さえられず、雑誌に手を伸ばした。
雑誌の中の妖艶な美女たちが、まるでハヤテを誘っているようだった。

ハヤテは食い入るように紙面を見つめた。
隠す所がほとんどない豊満な胸、乳首もあらわになっている。
ハヤテは興奮してページをめくった。

「そう、我慢しないで好きな所を見ていいのよ」と言われているようだった。

「ううっ!」
ハヤテは股間に痛みを感じた。ペニスが勃起していたのだった。

「そういえば、しばらくしていなかったなぁ」

ハヤテはパジャマからペニスを取り出し、裸体を見ながら、既に硬くなった自分
の肉棒を擦り始めた。

小さな頃から、大人たちと一緒に働いていたハヤテだった。
特に年上の女性たちからは、可愛がられ、時にはキワドい場面に遭遇する事も何
度かあった。
たいがいはハヤテの鈍感さが手伝って、切り抜ける事も多かったが、それでも、
本当にヤバい場面もあった。
その時は、生まれ持った本能で回避し続けていたのだった。

雑誌の美女たちと、自分が逢った女性たちが重なり、ますますハヤテは困惑した

一度位は、お姉さんの言いなりになっても良かったかな?
と思いはじめていた。

すると、自分の手が自分のではなく、女性に触れられているような錯覚にハヤテ
は陥っていた。

「うぁっ……うっ!」

ハヤテの息が一段と荒くなった。それと同時に、自分のペニスを擦るピッチも上
がって行った。

ピクピク……ビクビクッ!

背中から電流が走るような快感が、一気に来た。
ピュルルッ……ドクドクッ……!

「ハァ……ハァ……ハァ……」

ハヤテが放った精液が、弧を描いた。
そのままではパジャマに付きそうな所を、慌ててティッシュで受け止めた。

「きっ、気持ち良かったぁ……」

ハヤテは今まで感じた事のない強い快感に、そのまま果ててしまいいつしか眠っ
てしまった。


次の朝。

「よぉ、ハヤテ、おはよー」
ユウタがハヤテに声をかける。

「で、あの本どうした? 気に入ったか?」

「あ……うん」
ハヤテは顔が熱くなるのを感じながら、そう応えた

「おはよう。ハヤテ君。あの……、一日遅くなっちゃったけど、お誕生日おめで
とう♪受け取ってくれるかな?」
歩はハヤテに小さな小箱を渡した。

形はシンプルだが、女の子らしくピンクのリボンがかかっていた。

「ありがとう、西沢さん。僕はとっても嬉しいよ」

ハヤテは屈託のない笑顔でニッコリ微笑んだ。

ーおわりー



あとがき

ハヤテ君のお誕生日記念SSです。
他のを書く予定だったのですが、お誕生日に合わせたくて、急遽こっちを書く事に……。
表紙裏のハヤテ君のお部屋訪問にエロ本がなかったので、あぁん、もうないのならプレゼントしたい!
と思ったのが、きっかけだったのかな?

バイト中に起きた、お姉さんとの危ない遭遇や、西沢さんとのその後とか、書きたい事が増えて困っちゃいました(笑)
そちらも機会があったら書きたいです。

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ