裏です。苦手な方はご注意を……。



ここは三千院ナギの部屋。
この部屋の主の三千院ナギは、何やら紙に向き合って懸命に描いている。
ナギの執事である綾崎ハヤテは、そんなナギの様子に気がついたようだった。

「お嬢さま。何やら張り切っていらっしゃいますね。新作の漫画ですか?」

「あぁ、たまには、コンセプトを変えてみようと思ってな」
ナギは鉛筆で描き込みをしながら、ハヤテにそう応えた。

「頑張ってくださいね。あ、そうだ。何かお夜食を用意して来ますね。ちょうど小腹が空いた時間ではないですか?」

「ハヤテは相変わらず気が利くな。それでは頼むぞ」

「わかりました。お嬢さま、すぐにお持ちしますね」

ハヤテは厨房に行った。

「あら? まだハヤテ君は上がってなかったの?」

明日の仕込みをしているマリアが、ハヤテに尋ねた。

「ええ、何しろお嬢さまが張り切っていますので……。あ、鍋と食材を少々お借りしても良いですか?」

ハヤテはそう言いながら、エプロンを付けた。

「私のほうは準備が終わりましたから、構わないですよ。あぁ、ナギのお夜食ですね。でも、ハヤテ君、大丈夫ですか? 何だか顔色が悪いですよ」

「え、そうですか? 確かにここ数日、試験があったからほとんど寝てないのですが……」

「まぁ、それは大変! ナギの事は私に任せて、ハヤテ君はもう休んだほうが…
…」

「いえ、僕は寝なくても平気ですし、何よりもお嬢さまのお世話は僕の務めですから……」

ハヤテはそう応えながらも手を休めなかった。

「そうだわ。良い物があった」

マリアは茶色い小瓶を手に取った。

「試供品みたいですよ、今日立ち寄った薬局で貰ったんですが、ハヤテ君にあげますね」

「スーパーアゲインマックス? 何だか効きそうですね。では有り難く頂きます」

ハヤテはキャップを開けて一気に飲んだ。

「うお〜〜〜〜っ!」

ピロロロ〜ン♪
ハヤテのHPが278上がった!
素早さが100上がった!執事レベルが1上がった!

「凄いですね。このドリンク! みるみる力が沸いて来ましたよぉ〜!」

ハヤテの調理のスピードは一気に上がり、あっと言う間に食器に盛り付けていた。

「では、これをお嬢さまに……」

ーパタムー

ハヤテはあっと言う間に消えていた。

「ハヤテ君、凄い勢いだったわね。大丈夫かしら?」




「お嬢さま。出来ましたよ!」

「あぁ、ハヤテか、早かったな」
ナギは相変わらず原稿(と言っても、普通の大学ノートだったが)に向かっていた。

「熱いうちに食べてくださいね。僕特製のカニ玉雑炊です」

「あぁ、それでは戴くとするか……」
ナギはやっと椅子から下り、テーブルに付いた。

「熱いですからね。何なら僕がフーフーして差し上げましょうか?」

「何も、そこまでしなくとも良い! ひ、一人で食べられるぞ」

ナギはハヤテが作った雑炊を食べ始めた。

「う、旨いぞぉ〜!」

「美味しいですか? お嬢さま。良かったぁ! 丁度新鮮なのタラバ蟹があったので、少しだけですが、使わせて貰いました」

「味も薄いけどダシが利いてて最高だ。ご飯もベタベタしてなくて実に食べやすい!」

「ダシ汁は余っているのをマリアさんから頂きました。ご飯は一旦、水にさらしてヌメリを取ったんですよ」



「ご馳走さま。実に美味しかったぞ、ハヤテ」

「ありがとうございます。お嬢さま、お気に召したようで嬉しいです。それで、漫画のほうはどうなりましたか?」

「わぁ……! その事は私に訊くな!」

ナギは急に真っ赤になり、原稿を隠そうとした。
だが、ハヤテの先手必勝! ナギのノートはハヤテの手に取られていた。そこには、見開きのページにキスをする男女の絵が描かれていた。
描きながら散々迷ったのだろう。沢山の線が描き込まれていた。

「なるほど、ラブシーンですか、やっぱりお嬢さまも女の子なんですね……」

「だからあれほど見るなと言ったのに……」
ナギはますます顔を赤くした。

「じゃあ、実際にキスしてみたら、わかるんじゃないですか?」

「ええっ? き、キス? そんな……」

「僕としてみたら、きっとわかりますよ……」

ハヤテはナギの顔に近付き、そっとキスをした。
はじめて触れるハヤテの唇。
ハヤテの不意を付くように、頬にした事はあったが、ハヤテのほうからナギに……、と言うのは、今回がはじめてだった。しかも唇と唇同士だ。

「あふっ……はぅっ……」
ナギはどうしたら良いか分からず、そのままにしていた。するとハヤテが少し口を開けて舌を入れて来た。

「ハヤ……あぅっ……」

いつかはと夢見ていたハヤテとのキスが、こんな深いモノになるとは……。
想像もしてなかった展開に、ナギは腰砕けに蕩けてしまっていた。

いつものハヤテじゃない! でも、こんなハヤテも、こんなハヤテも〜!!

「キスしたのなら、当然その続きもしなくてはね……」

「つ……続き?」

唖然とするナギを、ハヤテはお姫さまだっこするとベッドに乗せた。

「うっ! わっ……ハヤテ!」

ハヤテはナギの服を脱がしにかかった。

「止めろ! は、恥ずかしいではないか!」

「僕はもうお嬢さまの全てを見ているんですよ。何を今さら恥ずかしがるんですか?」

いつものナギならこの位は抵抗が出来る。だが、まだ腰が砕けてしまい、身体が思うように動かない!

「はっ……ハヤテ……」
半裸になったナギの胸を、ハヤテは優しく揉みはじめた。といってもナギの胸はほとんど凹凸はなかったが。

ハヤテに胸を触られた事は何度かあった、ただ、それはちょっとしたアクシデントで起こった事で、その時はハヤテのほうに意思はなかったのだ。
でも、これはあきらかに今までのとは違う。

「止めろ……ハヤテ……は、恥ずかしい」

「お嬢さまの胸なら、僕が大きくしてさしあげますよ。それにはもっと刺激があったほうがいいかな?」

「ひゃぁうっ……」

ハヤテはナギの乳首をペロっと舐めた。

温くて湿ったハヤテの舌は、今まで眠っていたナギの快楽を少しずつ目覚めさせて行く。

「下のほうも気持ち良くさせてあげますからね……」

ハヤテはそう言うと、ナギのショーツをおろし、ナギの大切な部分を舌で舐めた。

「バカっ……ハヤテ……そんな……汚いっ……」

「お嬢さまの身体に汚い所なんてありませんよ。ココだってこんな綺麗なピンク色……くちゅっ……」

ナギの秘密の蕾を、ハヤテは舌で刺激を与えた。
今まで自慰と言うモノをした全く事がなかったナギのソコは、包皮に包まれていたが、ビリビリ来るような快感に、ナギは段々と声も小さくなっていた。

「はうっ……ハヤテ、ハヤテ……きっ、気持ちいい……」

「そうですよ。お嬢さま、気持ちいい時は素直に言ってくださいね」

ハヤテはナギの深い所に指を入れ始めた。

ハヤテの指が、指が私の中に……。

ナギは快感と恥ずかしさで、もはや言葉にもならなかった。

「はっ……ハヤテ……あっうっ……!」

自分の身体が宙に浮いた感覚をナギは感じた。
それと同時にナギは意識を失っていた。

「お嬢さまはイッてしまわれたのですね。もぉ、仕方ないなぁ……」

ハヤテはグシャグシャになったナギの服を整えた。

「おやすみなさい。お嬢さま」

ハヤテはそう言うと、食器を持ってナギの部屋から出て行った。





翌朝

「おはようございます。お嬢さま」

何もなかったかのようなハヤテの笑顔に対し、ナギのほうは顔を赤くし、ハヤテの顔をまともに見られない。

「おや? お嬢さまどうされましたか? さては学校に行きたくなくて、仮病を使われてますね?」

「昨夜の事だが……ハヤテ、一体あれはなんだ?」

「何の事ですか? 僕にはさっぱり……」

「本当に、この私に何をしたのか、覚えてないのか?」

「はい、一体僕がお嬢さまに何をしたのでしょうか?」

「ハヤテのバカ、バカ、バーカ!!」

ナギはベッドにあった枕やクッションを思い切りハヤテにぶつけた。

「何があったのか、訊きたいのは僕のほうですよ! お嬢さま。一体どうされたんですかぁ〜〜?」

本当にハヤテは覚えてなかったのだ。なんだか身体が熱くなっていたのは、何となく覚えていたのだが、気がついたら自分のベッドで熟睡していたのだった。



朝の三千院家に、お嬢さまと借金執事の声が響き渡る。


ーその後ー

「これは、昨夜ハヤテ君が飲んだドリンクの瓶……。えっと、何々? 滋養強壮、精力減退に良く効きます。貴方の夜のお悩みはコレで解決? はて、どぉ言う
意味かしら? そう言えば、ナギの様子が変だったわね。ハヤテ君のほうは相変わらずでしたが……」

昨夜は一体何があったか、とても気になるマリアであった。

ー終わりー




あとがき

初めてのハヤナギはやっぱり裏になってしまいました(汗)
本当は、最後まで書こうか考えたのですが、まぁ、まだナギにはこの位が丁度良いかな? と(笑)

そして、シリーズその1という事は、はい、続きも書きますよぉ〜!

多分、このドリンクには、お酒みたいな効果と媚薬があったのでしょうね。
でも、お酒を飲むようになったら、ちょっと心配だわ(笑)

最後に、ハヤテ君は天然ジゴロであると同時に、天然テクニシャンであると信じて疑わない私です。はい!

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