3年D組みんな仲良し

□みんなの卯の花祭奮闘記
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レオ



 演劇部の持ち時間はそんなに長くない。

 とりあえずオープニングは簡単な動きと、日村のナレーションを流し、本筋はカイドリヨンが魔法使いに会うところからにした。

 初日ということもあり、今日は全員台本を持つことを許可した。

「ただし、明日以降、演技中に台本見るのは禁止。今日で全部覚えてきて。時間ないんだからね。もしセリフをとちったりしたら、罰としてマジックで顔に悪戯書きするからね」

 こうでもしないとみんないつまでたっても覚えないだろうから。

 ヒナタは舌打ち、海生は不安そうに眉を寄せ、桜井はため息、日村は「困ったもんだ」とでも言いたげな顔で笑った。

「レオ、一つお願い」

 花菱が元気よく手をあげた。

「悪戯書きするのは仕方ないとしても、せめてペンは水性にしてもらえないかな?」

 なんだ、そんなこと。

「ダメ。水性じゃ怠け心がでるかもしれないから油性でやる」

 ヒナタが「くっだらねー」と毒づいたのが聞こえた。

「言っておくけど、ここでは僕が法律だからね。不平不満があろうがなかろうが、一から十まで全て僕の指示に従ってもらうから。わかった?」

 戸惑ったような沈黙に苛立って、足を踏み鳴らした。

「返事はっ!?」

「「「「「はいっ」」」」」

 まったく。はじめから素直になればいいものを。
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