3年D組みんな仲良し

□みんなの卯の花祭奮闘記
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海生



 教室に戻ると、レオは窓の桟に手をついて外を眺めていた。

 気付かれないうちに、このまま逃げちゃおうかな。とも思ったけど、そんなことしたら後が怖いよな、うん。

「レオ」

 呼んだら、嬉しそうな顔して振り向いた。なんてわざとらしいんだろう。

 俺は作った笑顔がひきつりそうになるのを感じた。

「えっと、話って、なに?」

 告白……なわけ絶対ないけど、リンチとかだったら告白の方がまだいいよな。

 レオがわざわざ「話があるから掃除が終わったら教室戻ってきて」なんて言うくらいだから、ろくなことじゃないのは確か。

「海生、僕たちは友達だよね?」

「えっ、違うけど」

 大股三歩で近づいて、弁慶の泣き所を思い切り蹴られた。

 突然のことで驚いたとはいえ、今のは俺が悪い。でもなにも蹴ることはないじゃないか。

「まあ、そんなことはどうでもいいんだけどさ」

 いいなら聞くなよ。
 何で聞いたんだよ。

「園芸部は卯の花祭に出ないんだろ?」

「出ないけど、」

 それがどうしたの?って、最後まで言う前に、レオに遮られるように言われた。

「なら、卯の花祭は劇に出てくれ。演劇部を助けてほしいんだ」
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