3年D組みんな仲良し
□みんなの卯の花祭奮闘記
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海生
☆
教室に戻ると、レオは窓の桟に手をついて外を眺めていた。
気付かれないうちに、このまま逃げちゃおうかな。とも思ったけど、そんなことしたら後が怖いよな、うん。
「レオ」
呼んだら、嬉しそうな顔して振り向いた。なんてわざとらしいんだろう。
俺は作った笑顔がひきつりそうになるのを感じた。
「えっと、話って、なに?」
告白……なわけ絶対ないけど、リンチとかだったら告白の方がまだいいよな。
レオがわざわざ「話があるから掃除が終わったら教室戻ってきて」なんて言うくらいだから、ろくなことじゃないのは確か。
「海生、僕たちは友達だよね?」
「えっ、違うけど」
大股三歩で近づいて、弁慶の泣き所を思い切り蹴られた。
突然のことで驚いたとはいえ、今のは俺が悪い。でもなにも蹴ることはないじゃないか。
「まあ、そんなことはどうでもいいんだけどさ」
いいなら聞くなよ。
何で聞いたんだよ。
「園芸部は卯の花祭に出ないんだろ?」
「出ないけど、」
それがどうしたの?って、最後まで言う前に、レオに遮られるように言われた。
「なら、卯の花祭は劇に出てくれ。演劇部を助けてほしいんだ」