言葉遊び

□果てなき復讐
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 しかし、手はそう簡単に外れる訳もなく、無力にも首を絞められ続ける。
 梓は苦しそうに顔を歪め、それでも「だ…れ…?」と、問う。
しかし、返答はなく、更に手に力が込められる。
梓は、首に食い込んだ手を外そうともがく。
 しかし、手はそう簡単に外れる訳もなく、無力にも首を絞められ続ける。
 すると、背中越しに安曇の形をした何かのニタリと笑う気配が伝わってくる。
 そして、抵抗も虚しく、梓は生き絶えた…。
それでも、安曇の形をしたモノは、梓の亡骸の首から手を放さず、狂った様に「どうして?どうして?」と、繰り返し、「どうして…?どう…して…お母さん…。」と、涙を流す。
そうして数分間、立ち尽くしていたが、ようやく死体から手を放す。
 やがて、糸が切れた様にガクンと、地面に崩れる。
 そして、「梓…。」と、小さく呟く。
その瞳からは、一筋の涙が零れ落ちた。
そして…「クスクス。」と、突然、無邪気な少女の笑い声が安曇の頭の上から降ってきた。
その少女は体を透けさせ、「あぁ楽しかった。次は、誰にしようかな?」と、可愛く笑う。
しかし、その瞳に写っているのは、爛々と輝く『殺意』。
少女は、己を殺した母親を怨み、母親という存在をつくりだした世の中を怨んでいる。
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