物語

□【第6話】
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「能ある者は身を隠し、
善者と間抜けとが身を曝す。」



 神(じん)が密かに逃亡した翌日の昼…。
運転士は目を覚ました…。
 運転士は一瞬、ここが何処だか分からなくなった。
 しかし、記憶を辿り、神の家だと直ぐに思い出す。
 そして、ベッドから出て、1階へ降りる。
 まだ神がいなくなった事を知らない運転士は、『神は起きていると思うけど、やけに静かだなぁ。』と、内心思うが、あまり気に留めずにリビングへと入りる。
 そして、「おはよう。」と、挨拶をするが、返事が返って来ない。
 それもその筈で、そこには、誰も居なかった。
 代わりにテーブルの上にラップのかかった皿と白い紙が置いてあった。
 皿の上には、サンドイッチ。
 白い紙はどうやら置き手紙らしい。
 紙には、《俺は、ここを出て行きます。
今までお仕事ご苦労様でした。
それから、警察が押し掛けて来ると思いますが宜しくお願いします。
それと皿の上のサンドイッチは、昼にでも食べて下さい。
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