物語

□【第5話】
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「日常+」



 今は、日付が変わり、1時間ほど経過したかという位。
 雨の勢力は、多少減退したものの、未だ止む気配を全く見せない。
 そんな中、車は1つの家の前に止まった。
  そして、運転士が後ろの神(ジン)へと声を掛ける。
「神様。到着致しました。」と。
 しかし、応答がない。
 運転士は、怪訝に思い、バックミラーで確認すると、神は寝ていた。
 それを見て運転士は、『こうして寝ていればただの少年なんだけどな』と、内心思い、『何がこの少年をあんな風にしてしまったのだろう』と、残念に思う。
 そして、先程より声を大きくして「神様。お目覚め下さい。自宅に到着致しました。」と、呼び掛ける。
 すると、今度は反応があった。
 神は、「んっ何?着いた?」と、眠そうに片目だけ開ける。
 そして、「あぁ、有り難う。ご苦労様。」と、車を降りようとして、何かに気が付いた様に動きを止め、「運転士さんも眠い?」と聞く。
 運転士はそれに、「あぁ、それなりに眠いよ。」と、少しあくび混じりに答える。
「じゃあ、今日は家に泊まって行かない?部屋余ってるし、事故とか起こされても俺が困るからさ。」と、神が眠そうに提案する。
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