言葉遊び
□孤独なる旅
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「孤独なる旅」
犬の鳴き声だけが…虚しく響世界。
人が忽然と姿を消した世界。
犬達は戸惑いを隠しきれず、毎晩のように鳴き続けている。
しかし、もう…その数も大分減った。
自分で、生きられるもの達だけが残った。
あれから何年…経っただろうか?
今ではもう、時間など意味を果たさない物と化した。
この世界には、太陽も空も風も、街もあの時と変わらぬまま、在り続けている。
だが、「人」だけが居ない…。
この世界に何が起こったというのか。
そんな事を思いながら、孤独な世界を一人歩く…。
なんの偶然か知らないが、生き残った少年は、何処かに居るかもしれない第二の生存者を探し求め、今日も歩く。
自分が生き残ったのだから何処かに居る筈だと信じ、求める。
何時終わるとも知れない永き永き旅路…。
今日も一人歩く…。
孤独なる旅路。
ああ、もう何を信じればいいのか分からないが、とにかく信じよう。
大いなる神よ。
我の渇き切った心に人、恋しいこの心に幸をお与え下さい。
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