言葉遊び

□獣
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「獣」



 優李は、今日、学校を休んだと言うのに今、学校に来ていた。
 勿論、授業を受ける為などでは無い。
 捜し物を見つける為だ。
 本来、三時間目が行われている時間だが、校内は、至って静かだ。
それどころか校内は、無数の血溜まりと肉と骨片が無惨に散らばっていた…。
しかし、優李は気にも留めない。
それどころか、「あ〜ぁ。駄目じゃない。こんなに汚して。」と、この惨状を呆れ顔で見回していた。
そして、優李は、「居ない…。何処だろう?3階かな?」と、階段を登る。
やはり、3階も1、2階と同じ光景を晒していた…。
しかし、優李は慣れていると言わんばかりに何の躊躇もなく、そこに足を踏み入れ、教室を1つずつ覗き込んで行く。
居ない、居ない、居ない…そして…。
誰も居ない教室にぽつり。
何かが、1つ立っていた。
両の瞳は、怪しく光る。
その姿はまるで、獲物を狙い、ひっそりと殺気を帯びる肉食動物のよう。
今にも、飛び掛かって来そうな程に殺気を漂わせ、佇んでいる…。
 その足元には、かつて人間だったであろう物達が、見るも無惨な肉片と化して、床を覆い尽くす様に転がっていた…。
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