恋華キャラで16のお題
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母成峠での敗走――。
その翌日、会津若松城下外堀外の宿屋にて疲弊した身体を癒す新選組隊士たちの姿があった――。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「斎藤くん、少しいいかい」
襖の向こうから聞こえた声に、斎藤が返事をする間もなくするりと襖が開かれた。
その向こうに立っている人影に斎藤は目を細めた。
「どうだい、たまには酒でも一緒に」
そう言って、持参した酒をかざしながら微かに笑んだ男は、尾形俊太郎である。
斎藤は珍しいこともあるものだ、と思いながら尾形の誘いに乗ることにした。