Story

□離婚騒動
3ページ/4ページ

そしてヴォルフラムへの求婚状がユーリの我慢の限界を越え、今回の会見を開いたと言う事だ。



「…では、陛下とヴォルフラム閣下の離婚疑惑は全くの事実無根と言う事でしょうか。」


『んまぁ、そういう事です。』
『全く。何処からそんな噂が広まったのか、こっちが知りたいところだ。』


「ヴォルフラム閣下がユーリ陛下に腕を振り払われた事に対しては…?」

『それは誤解だ。ユーリの手に飲み物がかかってしまっただけだ。非難されるならばユーリではなく、僕に非がある。』
『ごめんな、ヴォルフ?』
『…へなちょこ、謝るな。』


「では、今後離婚のご予定は」

『それはあり得ません。』
『あってたまるか。』




その質問に答え終わると、ギュンターが会見の終了時刻を告げた。
席を立とうとするヴォルフの手を引き寄せて、腕の中に閉じ込めた。


『ユーリ…?』

不思議そうなヴォルフの声がするが、彼を離さない。
俺はまだ言わなくちゃいけないことがある。ヴォルフを抱きしめながら、記者たちに正面を向けた。

俺たちの様子に、会見が終わりざわついていた記者たちも静けさを取り戻した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ