Story
□離婚騒動
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当然二人の間には離婚のカケラもないのだが、民間はそれでは納得しなかった。
二人には会見が求められ、両者ともに毎日眞日の一面を飾った。
王の醜聞をさらす訳にいかず、ギュンターとグエンダルが何とかして騒ぎを収拾させたのだった。
しかし、ユーリにとってもツラいのは会見を求められる事や醜聞を書かれる事ではなかたった。
『だーっ、っもう!
いつまでくるんだよっ、この写真は!?』
『文句を言うな、ユーリ。』
『言いたくもなるだろっ!?毎日だぞ。毎日毎日大量の見合い写真だぞっ!?』
そう、ユーリが本当にツラいのは毎日送られてくる大量の見合い写真だった。
二人の離婚疑惑の浮上と共に、どちらにも見合い写真が全国から送られてきたのだ。
特にヴォルフラムはユーリから手を撥ね付けられたとして、熱烈なファンからの求婚状が後を絶たなかった。
それに一番被害を被ったのは、他でもないユーリだった。
『陛下よりも大切にいたします。』
『陛下のなさった事は私には理解ができません。』
などと求婚を求める者の手紙には、ヴォルフラムをユーリよりも大切にするようなことが書いてある。
こんなに事をされて立場が無いのは、ユーリだ。
そもそも間違いの離婚騒動にヴォルフラムを拒絶したと書かれているのだ。
それに加えヴォルフラムへの大量の求婚状。
怒りたくなるのも無理ない。