プレイ記

□イベント
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 リンクが重ねた右手の甲に表れた紋章が輝きだします。
 「その甲に輝く光こそ あなたが 聖なる力を宿せる 勇者である証……
 トライフォースを示す紋章です
 さあ リンク 剣を抜き放つのです」
 彼女の言葉に従い剣を鞘から抜き、そして天に向かって捧げ持ちました。
 すると剣の鍔が開き、その刀身にトライフォースの紋章が現れます。女神の祝福を受けた退魔の剣は、マスターソードという名に相応しい姿となりました。
 
 ここまで話した彼女はリンクに背を向けます。
 「……リンク 私は あなたに 謝らなければ なりません
 あなたの甲に 浮き上がったそれは 万能の力 トライフォースの紋章……
 その実態を 手に出来れば トライフォースの力をもって 終焉の者を完全に消滅させられる
 けれど その力を扱えるのは 数多の中でも ごく限られた 強き魂の持ち主だけなのです」
 そのまま神殿の奥へと足を進め、リンクから遠ざかってゆきました。
 「太古の神々が 何故 トライフォースを創造したのかは 誰にも 分かりません
 けれど私はこう思うのです……
 神が創りしものでありながら 神の一族が使えぬ力……
 それは 神ならぬ者に与えられた 希望ではないのだろうかと
 ……そう だから
 世界の希望のために 終焉の者を滅するために ハイリアが選んだ 強き魂の人……
 それが あなた
 けれど 万能の力を得る為には…… あなたの魂が 多くの試練を乗り越え 勇者として覚醒する必要が あった
 だから女神ハイリアは…… 私は……
 あなたが ゼルダを救う為 試練に 身を投じてくれると信じて……
 あなたを…… 利用して……」
 途中からその言葉は、押し殺すように紡がれます。
 
 そんな事、大丈夫だ。
 
 「……リンク このような運命に 巻き込んでしまって ごめんなさい……
 けれどこれは この世界の命運をかけた 戦いなのです……だから あなたにも 力を貸して欲しい……」
 彼女は神殿の奥、光が差し込む祭壇で足を止めました。
 「我ながら ずいぶん勝手な 言い草ですね…… でも その罰は受けます
 封印を安定させる為 私は ここで眠りに…… 数千年の 永き眠りに つくのですから」
 そうして振り返ったゼルダは、涙をこぼしてしまいます。
 「……リンク…… 本当に ごめんね ごめんなさい……
 でも わたしも記憶が戻るまで 全然知らなかった……わたし達が こんな運命を 背負ってるだなんて
 ……わたしは ただ一緒に…… ずっと リンクと一緒に いたかっただけなのに……」
 その言葉を聞き、弾かれた様にリンクは駆け寄りました。ですがゼルダの周りにまばゆい光が現れ、その体を覆い囲んでしまいます。
 「……リンク わたしは確かに 女神の生まれ変わりだけど……
 今でも お父様の娘で リンクの幼馴染みの ゼルダなの……
 終焉の者が完全に消滅したら もう封印は必要なくなって わたしも目覚める事が出来る……
 ……ねえ リンク いつもは お寝坊さんの あなたを わたしが 起こしに行っていたけれど
 今度は リンクが わたしを 起こしに来てくれるかな?」
 選択肢。
 
必ず
約束する
起こしに行く
 
 「必ず」と応えます。すでに光で良くは見えませんが、ゼルダは安心した様に微笑みました。
 そして光が周囲を包み込み、それが収まるとリンクは辛そうに顔を伏せます。
 その目の前には、硬質の魔力を纏い眠るゼルダの姿がありました。
 大扉の外に出ると、インパ様が振り返ります。
 リンクはインパ様の目を見据えて頷いたのでした。
 
 インパ様はゼルダとの約束であるトライフォースを見つけ出すように言い、自分はここでゼルダを守ると語ります。
 インパ様の言葉を信じてリンクは自らの時代に戻りました。
 
 封印の神殿に戻ると老婆が話しかけてきます。
 過去の時代ですべてを知ったリンクに、封印の神殿にある大扉の向こうにゼルダが眠っていると言いました。ゼルダは今でも、インパ様の力により守られています。
 そして老婆は伝説の通り、トライフォースはスカイロフトにあると断言します。
 
 正確な在処までは伝えられてはいませんが、ならば探し出せば良いだけです。
 天空へ戻ろうとするリンクをバドが呼び止めました。
 
 バドはゼルダの事を訊ね、リンクはそれに答えます。リンクの事を信頼しているのか、心配するよりも笑顔を浮かべてくれました。
 そしてバドは、この場所に残ると言います。ここでやるべきことがあると語るバドはこの土地が気に入ったと言いました。ゼルダや老婆がいるから、大地には生命力があふれているのだと。
 スカイロフトに戻ったらみんなによろしく言って欲しいとリンクに頼みます。
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