新詩

□森の教会と少女
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村の不幸者は皆(みな)教会へ集う
あの少女に会いに行く
ほら 今日も深緑の森に訪れる人がいる…
ほら 今日も静かな森に響く鐘の音(ね)が聞こえる…

茂みの奥に見えたのは教会
一歩踏み入れれば軋む足音
掲げられた十字架の前に1人の少女
他人(ひと)の幸福を祈っている1人の少女

でもその教会から出られる人は誰もいない…
だって幸福になんてしたくないもの
だって他人(ひと)が不幸だから祈れるの
だって私が1番幸福になりたいもの

今宵もまた1つ増えますね
教会裏の墓標の数…


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2006.10.12
他人(ひと)の不幸を聞いて自分の幸福を確かめること…。
他人(ひと)の幸福を祈ってるつもり。
だけど、その祈りの先にあるのは自分の幸福…。
祈るのは自分に利害があるから…。
悲しいけどそんな認めたくない事実がある。
そんな人間の悲しいエゴ。

純粋に人の幸福を祈ってる方々申し訳ありません;

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