懐詩

□3人のあたし
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1人は私を見て嘲(あざ)け笑った
「やっぱりお前はバカなんだ。当たり前なんだよ」
と、腰に手をあてて私を見下ろし ギロリと睨んだ
私は目から流れる涙をそのままにして
口元をニヤリとさせた

1人は私を見て隣で泣いた
「少しでも期待したのが悪いのかな…」
と、手で顔を覆い下を向いて しゃがんだ
私は壁にもたれて人形のようになって
焦点の合わない目からから涙をこぼした

ヒンヤリとした深い霧に包まれた私達は
憂鬱をかかえたまま明日(あす)を見た

いつかこの灰色の気持ちを積み重ねたら
悲しみ・怒り・憎しみ・恨み・涙
ふるえ・落胆・叫び・苦しみ・不安…
一気に重なりあって私の心は
真っ黒になりそうで怖い…

3人は弱い心を隠そうと霧に入った
そして 強がり・泣いて・ぼう然とする
その場で生きた証をつけて
明日へと1歩進んでいった


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2004.3.10
おこったり、泣いたりする自分を第三者のように見る自分。
きっとみんな、そんな自分を隠しながら
生きてるのだと思います。
いつか心が真っ黒になる前に解消できる事を探したいですね。

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