お話。
□聞いたげるから。
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「ボクがイヅルのお願いひとつ聞いたるから、ボクのお願いひとつ聞いて」
こいつの手を握った。
それでしたら、と。
口を、ぱくり。
開いて紡ぐ。
それは満面の笑みだった。
「死んでください」
ああ、なんだ、こいつはつくづく生意気な奴だ。
それと同時に恐ろしく気の合う奴だとも思った。
「奇遇やな」
ボクも今、それ、言おうとした
。
*
ふたりとも笑顔で、じゃあ、死にますか。
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