短編集
□月と黒猫
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少女は立ち止まって月を眺めました。
頭を出している月は徐々に、ゆっくりとその丸い体全体を山から出してきます。
月のまわりの空が明るくなります。
紺色の夜空には手芸用の綿をのせたような、白い雲が浮いています。
そして丸く、大きい月がぽっかりでています。
少女は月に見とれていました。
「あ、帰らなきゃ!」
少女ははっとし、再び自転車で走り始めました。
少女は急ぎながらも、時々夜空を見上げては月を眺めました。
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