短編集

□月と黒猫
2ページ/5ページ

少女は立ち止まって月を眺めました。

頭を出している月は徐々に、ゆっくりとその丸い体全体を山から出してきます。

月のまわりの空が明るくなります。

紺色の夜空には手芸用の綿をのせたような、白い雲が浮いています。

そして丸く、大きい月がぽっかりでています。

少女は月に見とれていました。




「あ、帰らなきゃ!」




少女ははっとし、再び自転車で走り始めました。

少女は急ぎながらも、時々夜空を見上げては月を眺めました。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ