短編集
□月と黒猫
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それは肌寒い夜でした。
昼間の暑さを忘れさせるくらいの、肌寒い夜でした。
1人の少女が自転車で走っていました。
「早く帰らないと・・・。
お母さんに叱られちゃう・・・」
少女はそう言いながら必死で自転車で走りました。
少女がふと空を見上げると、
山々からお月様が頭をひょっこり出していました。
「あ、月だ」
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