贈り物

□花影
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心から尊敬するこの人に大切に護られいる彼女が…
純粋無垢な彼女が心から愛するこの人が…
羨ましいのか憎いのか…あたしには、もうわからない…





花影






「松本副隊長に報告がある。
十番隊隊長の日番谷隊長には、先程現世での異変を調べに行って貰った」



「ええ!!隊長が任務で現世に行かれてるんですか!?!」



総隊長の言われた一言にあたしは、何故…と呆然とした。



隊長は、今日は非番だった筈だ。
それに、各隊長が任務に赴く時には副隊長の同行が必須。



…なのに、あたしが此処に居るのに隊長だけで行かせたりするのだろう。



疑問に思い戸惑っているあたしに総隊長が、更に話を続ける。



「日番谷には、雛森が同行しておる。」



え、雛森が?



「本日、非番だった日番谷が現世の異変を感じ、調査に行くと言ったのを同じく非番だった雛森が日番谷の指揮下で調査に向かった」




そう…雛森が…



確か、今日はデートだって言ってたわね…。


でも、何で…あんたは隊長の彼女であっても隊長の副隊長では無いでしょ!!





何で、あんたが一緒に行くのよ―





そこは、あたしの場所なのに―





…あれ?





あたしは、今なんて…




…あたしの場所………隊長の側は…副隊長のあたしの………



「どうかしたかの?
松本副隊長」



急に自分の思考に捕われてしまったあたしは不思議そうに尋ねる総隊長の声で我に返る。





「いえ、何でもありません。
…失礼致します」



そう言ってあたしは、足早に総隊長の前から逃げるように退出した。






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