贈り物
□天然LOVERS
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確かに、人の不幸は蜜の味って言うけれど。
それより、もっと甘くて美味しいものそれは…
天然LOVERS
「悪い。松本居るか?」
雛森、乱菊、吉良、阿散井が副隊長会議の後、甘味処で休憩していたところに日番谷が入って来た。
「日番谷くん!」
それにいち早く気づいた雛森は、まるで子犬が尻尾を振って飼い主に駆け寄るように満面の笑みで日番谷の元に駆け寄って行く。
「どうしたの?」
仕事は?不思議そうにでも嬉しさを隠すことなく雛森が聞いた。
副隊長の自分達は会議が早く終わった為、次の仕事まで空き時間が出来たので休憩に来たのだが、彼はまだ仕事中の筈と疑問に思う雛森に日番谷が答える。
「ああ、松本に用があってな」
「乱菊さん?」
「隊長〜。どうかしたんですか?」
日番谷の突然の来訪に何かあったのかっと身構えた吉良と阿散井をよそに呑気に乱菊が尋ねる。
雛森はもちろん。乱菊にも分かっていたのだ。日番谷の表情からして、隊長自ら副隊長を探しに出向くほどの深刻な事態では無いことに。
「ああ、大したことじゃないんだが…」
日番谷が言うには、明後日提出の書類が明日提出になり、その書類を乱菊が持っているので探していたらしい。
「あれ、明日提出になったんですか?
あちゃーすみません。自室へ置いてるんで食べ終わったら持って行きます」
もう、注文しちゃったんで…申し訳なさそうにでも、食べる気は満々の乱菊。
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