贈り物
□first love〜初めての想い〜
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まさか…自分の中にこんな激情があるなど夢にも思いはしなかった―
fist love
〜初めての想い〜
あの男に―黒崎一護に初めて出会ったのは、一年前…八歳年上の姉さんの結婚式だった。
今まで見たことのない。
淡いオレンジの髪。
強い意志を秘めた瞳。
そして、大人の男なのに、丸で悪戯っ子が浮かべるようなやんちゃな笑顔に一瞬で魅せられた。
言葉を交したのは、ほんの一言。
『お前、緋真先輩の妹か?偉いなぁ!!』
結婚式の会場で姉さん達を祝いに来てくれた学生時代の友人に挨拶した時、そう言って笑い大きな手で頭を撫でられた。
いつもの私なら『子ども扱いするな!』と怒鳴ったであろう。
いや、他の奴なら間違いなく怒鳴っていた。
だが、あの男にはその瞬間に心捕われ、もう逃げられなくなっていた。
それが、幼い頃から女らしい姉さんと違い、特に恋愛感情など欠落していると思っていた私の―
嘘みたいな初恋の始まりだった。
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