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□冬の誘惑
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コタツには既にいつもの面々が揃っていた。
「雪乃さん、こんにちは。」
「こんにちは、雪乃さん!!」
「寒かっただろう、ここに入りなさい。」
神狩屋に示された場所に入ろうとしない。
雪乃は今までコタツと縁のない暮らしをしてきた。
その為、コタツに少し憧れていた部分もある。
入ってみたい。
だけど、そこに入るのは馴れ合う様な気がするのだ。
それが雪乃が入ろうとしない理由だった。
こうして冒頭の考えにいたり、今はコタツに入っている。
(あ、温かい・・・・・・)
予想以上の温かさに、雪乃は上機嫌になった。
「あったかいですよねぇ。」
まるで雪乃の気持ちを代弁するかのように颯姫がとろけた笑みを浮かべる。
「温かいよね。」
蒼衣が同意した。
神狩屋は笑いながらみかんをむき、夢見子に差し出している。
雪乃が嫌がり、蒼衣が好む極普通の時間。
穏やかすぎる、温かな時間。
(・・・・・・・・・まぁ、良いか。)
たまには良いか。と柄にも無いことを考えながら雪乃はコタツを楽しむことにした。