空ヲ想ウ物語

□青空の翼
1ページ/2ページ






―後悔は、ない。




 って言うのは、嘘。
 やりたいことならたくさんある。やらなくちゃいけないこともたくさんある。
 でも…でも……




―この躯は、もう、動いてくれない…




 ごめんな、エアリス。
 4年も…ずっと待っててくれたのに、会いに行くって、約束したのに…。ピンク色の服、見たかったな…新しい花売りワゴン作ってやりたかった‥一緒に、空、見たかった…。
 ホント、ごめん。ごめんな、エアリス…。でも‥でも…君に出逢えてよかった…。それだけは…




―後悔、してない





 ツォン、エアリスのこと、頼んだからな!シスネ、おふくろや親父のこと、よろしくな!‥そういやぁ、あんたの本当の名前、聞けなかったな…。一回、呼んでみたかったな。でも俺、シスネって名前、結構好きだぜ?見逃してくれたこと、感謝してるよ。





―二人共、ありがとう





 それからクラウド。俺の誇りや夢、全部を、お前にやれてよかった。それがお前でよかった。
 重いよな?辛いよな?
 でもお前しかいないんだ。それに、お前ならやれるって思う。信じてるんだ。
 だから前を向いて。立ち止まるな。歩みを止めるな。臆するな。お前が、俺の生きた証だから‥まっすぐ夢に向かって…




―生きてくれ





 不思議だな…。
 死って、真っ暗で淋しくて怖いものだと思ってたけど…何でだろう…あったかくて、凄く気持ちいい‥心地いい…。
 空を飛ぶのって、こんな感じか?気持ちよさそうだもんな。
 だったら俺にもくれよ。俺が空にいたら、エアリスだって怖くないだろ?頼むよ、可愛い後輩の我侭、聞いてくれよ。
 あ、なぁなぁ‥聞きたいことがあるんだ。ずっと見てくれてたんだろ?じゃあさ、俺、俺…








  英雄に、なれたかな―?






→あとがき
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ