空ヲ想ウ物語
□青空の翼
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―後悔は、ない。
って言うのは、嘘。
やりたいことならたくさんある。やらなくちゃいけないこともたくさんある。
でも…でも……
―この躯は、もう、動いてくれない…
ごめんな、エアリス。
4年も…ずっと待っててくれたのに、会いに行くって、約束したのに…。ピンク色の服、見たかったな…新しい花売りワゴン作ってやりたかった‥一緒に、空、見たかった…。
ホント、ごめん。ごめんな、エアリス…。でも‥でも…君に出逢えてよかった…。それだけは…
―後悔、してない
ツォン、エアリスのこと、頼んだからな!シスネ、おふくろや親父のこと、よろしくな!‥そういやぁ、あんたの本当の名前、聞けなかったな…。一回、呼んでみたかったな。でも俺、シスネって名前、結構好きだぜ?見逃してくれたこと、感謝してるよ。
―二人共、ありがとう
それからクラウド。俺の誇りや夢、全部を、お前にやれてよかった。それがお前でよかった。
重いよな?辛いよな?
でもお前しかいないんだ。それに、お前ならやれるって思う。信じてるんだ。
だから前を向いて。立ち止まるな。歩みを止めるな。臆するな。お前が、俺の生きた証だから‥まっすぐ夢に向かって…
―生きてくれ
不思議だな…。
死って、真っ暗で淋しくて怖いものだと思ってたけど…何でだろう…あったかくて、凄く気持ちいい‥心地いい…。
空を飛ぶのって、こんな感じか?気持ちよさそうだもんな。
だったら俺にもくれよ。俺が空にいたら、エアリスだって怖くないだろ?頼むよ、可愛い後輩の我侭、聞いてくれよ。
あ、なぁなぁ‥聞きたいことがあるんだ。ずっと見てくれてたんだろ?じゃあさ、俺、俺…
英雄に、なれたかな―?
→あとがき