小説
□あいとも
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プロローグ
空はまだ薄暗く、時折聞こえてくる風の音が外の寒さを伝える。
小さなアパートの部屋で早川直人(ハヤカワ ナオト)は寝ていた。
頭からかぶっている布団をだるそうにどけて
ゆっくりと目を開け、重いまぶたを気にせずベッドから出る。
部屋を見渡すとあちこちにゴミが散乱しているが
あまり気に留めず、いつもどおりの身仕度を始めた。
「あ〜…今日も寒いかなぁ」
独り言を言って、ボサボサの髪を軽く手で押さえつけ
鞄に必要最低限のものだけを入れて部屋をでた。
直人は紅劉学園(コウルガクエン)という学校に通っている。