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□思い出の。
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たまに夢で見る――。
思い出すんだ。
あの時、出逢ったあの子のこと。

それは。
桜の花が咲き乱れる頃。

俺の家からも、そう遠くない公園で。


一人、辛そうに。
何かをこらえるかのように。
泣いている男の子が、いた。

俺は、息を吸うことも。
体を動かすことも忘れ、彼が泣き続けているのを、ただただ見つめていた。

声を掛けることさえも。
できずに。
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