平和な世界にLet`s!GO!

□始まりの死刑台
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今、多くの観衆達に侮蔑の目で見られ罵耳憎言を浴びせられているなか死刑台に一人の背の高い老人が首に縄を括られている
老人の氷の用に冷たい瞳が刑務官達を捕らえて離さないが刑務官達は気が付かないふりをしている

「ヘンリー・オーテス!
最期に言い残すことはあるか?」

執行役の男が感情のこもってない業務的な喋り方で遺言を聞いてくる
ヘンリーと呼ばれた老人はそいつのほうをちらっと見るとすぐに向き直り観衆達に向かい今まで氷のように冷たかった瞳が一瞬にして瞳孔が開きまがまがしい狂気に満ち溢れた瞳に変わる

「儂はこの世の全ての人間を憎む!!人間など滅びろ!!」

80歳を越えた老人の放ったとは思えない異常なまでに殺意に満ち満ちた呪いの言葉に先程まで騒がしかった観衆達は急に静まり返り刑務官達は冷や汗を流し用心のために銃に手をかけている
そう、このヘンリー・オーテスという男は被害者が最低でも10000人以上を越えると言われている虐殺の限りを尽くした凶悪な殺人鬼で50年以上の服役を経て今日ついに絞首刑にされるのだ

「早く殺れ!」

これ以上この凶悪な殺人鬼に何も言わせたくない所長が死刑の命令を下し死刑台の床が抜けヘンリーの首が吊され
約10分後医者が死亡を確認しようと近づき脈を計るため手に触れた瞬間

「儂は生きてるぞ!」

医者の手首を掴みへし折ると雄叫びを上げながらロープを引きちぎり逃亡を謀る
普通ならば落ちた時の衝撃で頚椎の骨が折れ絶命するはずだがヘンリーの場合は半世紀以上たった今でも多少は衰えたものの強靭な筋肉と骨のおかけで絶命は免れたようだ
観衆達は目の前で起きた信じがたい事態に悲鳴を上げ逃げ惑い
刑務官達は一斉に銃を構えヘンリー目掛けて発砲する
゙パン゙゙パン゙゙パン゙゙パン゙パン゙゙パン゙゙パン゙゙パン゙゙パン゙゙パン゙パン゙パン゙゙パン゙

(グゥ・・。昔の・・儂だっ・・たら・・・これ・・・くらい・・なら・・たいした・・こと・・・無いの・・だ・・が・・な
儂も・・・・ついに・・最期か・・・この世界の・・人間・・を・・・全員・・殺して・・・やりた・・かっ・た)

十発以上の弾丸を胸や腹や足にくらい老化した肉体には応えたようで
さすがの、ヘンリーも倒れたがそれでも血へどを吐きなが這いつくばり必死に出口を目指すがついに怪物じみた生命力が力尽き暴力と殺戮に染まった85年の生涯に幕を閉じた

〜・・・・・・〜

撃たれて壮絶な死を迎えたヘンリーは気がつくと見知らぬ薄ぐらい廃墟になった城のようなところにいた

「ここはどこじゃ?
確か、撃たれて死んだはずじゃが?」

「おじいちゃん!ここは地獄ですよ〜」

「だれじゃ!」

後ろから急に話しかけられ振り向きざまに声の主の首に手をかけると170cm位ある少年が立っていた

「まあまあ、落ち着いてったらさ!
僕は悪魔だよ〜。」

骨が軋むくらいに強い力で首を絞められているというのにニコニコしながらまったく動じていない
さすが、自称悪魔と言っているだけのことはある

「悪魔?だったら早よ地獄に連れてかんかい!」

「でも問題があるんだよね〜。」

「なんじゃと?」

それから、自称悪魔?の少年は今起こっている事態について詳しく話始めた
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