いけないってわかってる

でも。



◆双子という名の下◆




「ルルーシュ・・・」
「ゼ、ロ」


闇に包まれる二人だけのこの空間。
月明かりだけがこの部屋を照らしている。

俺はベットに腰掛けているルルーシュをうっとり見つめた。月明かりに当たって、透き通った肌が艶めかしい。

手で美しいルルーシュの頬を滑らせる。
ルルーシュはくすぐったいのかびくりと肩を震わせた。


「綺麗だな・・・ルルーシュ」
「お前も同じだろ・・・俺達双子なんだから」


苦笑するルルーシュに思わず眉をしかめてしまう俺。
ルルーシュは自分の魅力に気付いていないだけだ。
双子でも俺達は全然違う。個々の人間なんだ。
ただ一緒に生まれてきた、それだけの事。
だがその鎖は余りにも大きくて、きつくて。
『双子』
と言う名の鎖。


「俺達・・・なんで双子なんだろう」
「ゼロ・・・?」


『双子』
その鎖があるせいで、ルルーシュを愛する事は禁忌とされる。
何故?
こんなにも愛してるのに。
個々の人間として、
ゼロとしてルルーシュを
愛してるのに。

優しくルルーシュを抱き寄せ、その腕に収める。

ただ容姿が似ているだけ
ただ一緒に生まれただけ

それなのに縛られて。


.


「ルルーシュ・・・」


いつも安堵するその首筋に顔を埋めても
不安で不安で仕方がない

『双子』という鎖のせいでいつかルルーシュは俺から離れて行くのだろう
ただでさえルルーシュは今人気があって、手強い奴らにも狙われて居るのに。
優しいルルーシュは断れないから、それをいいことにルルーシュを奪って行くかもしれない。

嫌だ。
嫌なんだ。
ルルーシュは俺のものだ。
俺だけのルルーシュなんだ。
誰にも盗られたくない!!


「ルルにはずっと側に居て欲しいよ・・・」


俺の、俺だけのルルーシュで居てくれよ・・・

ルルーシュに抱き着いて離れない俺の頭を
ルルーシュは優しく撫でてくれた。


「ゼロ・・・俺思うんだ・・・」


ルルーシュが撫でながら言葉を紡ぐ。
心地良さに身体を預けながらも真剣に耳をすませた。


「俺達双子だからずっと一緒に居られる。他人だったら何で引き裂かれるか分からないだろ・・・?
双子っていう絆はそう簡単に崩れないしな・・・生まれた時から一緒だし。
だから、俺は双子で・・・ゼロと双子でよかったと思ってるよ」


ルルーシュの言葉に思わず顔を上げた。

.

『双子』だから一緒に居られる。
『双子』だから離れられない。

そんな事考えもしなかった。
いつもいつも他と比べて
自分がどれだけ他の誰よりもルルーシュと一緒に居た事を忘れていた。

確かに禁忌かもしれない・・・
『愛する事』

でもそんな事に捕われる俺じゃなかったはずだ。
そう、俺らしくない。

使えるものは使う・・・
それが俺だろう?

たとえ『双子』と言う名でも


俺はにやりと笑み、ルルーシュの顎を掴む。
突然の事でルルーシュのアメジストの瞳が揺らいだ。


「ならルルーシュ・・・ずっと俺と、俺とだけ一緒に居よう?
俺とルルーシュは二人で一つなんだから、」

「ずっと二人だけで・・・」

「ゼロ・・・」


ゆっくりと、ルルーシュの唇に己のそれを重ねる。
誓い合うように、甘い口づけを。
甘みに、痺れていく。
感覚が麻痺しそう。


「ゼロだけでいい・・・ゼロが側に居てくれればそれでいいよ・・・」
「俺もだよ・・・愛してる、ルルーシュ」


『双子』と言う名で
ルルーシュを縛りつける

その絆は深く
壊すのは恐ろしい

だからルルーシュは拒否をしない
いや
出来ない

だから俺はそれを利用するよ?
甘い痺れを
離れがたい温もりを

ルルーシュが側に居て
愛してくれるためならば

どんな犠牲も惜しまない
どんなものも使ってやる


『双子』と言う名でも


「俺達は『双子』一緒にいなきゃ完全じゃない」
「そうだねゼロ・・・ずっと一緒に・・・」


俺達は『双子』
ずっと一緒にいなければならないんだよ。



終。







〜感想〜

わたし…マジで死ねます!
椿様の書くゼロルル最高Vv
素敵すぎてテンションはあがる!あがる!!ホント鼻血モノですよ!?
しかもマイナーゼロルルかぷ(>_<)
嬉しすぎる...
素敵な小説ありがとうございました椿様Vv



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