キリリク小説

□ある一日
4ページ/6ページ

それから僕達はキッコさんの新メニューをモサモサ食べつつ仕事など色んな話をした。だけどまったくプライベートの話なんてない色気もなんもない話だ。


本当にコイツ僕の事好きなのかねぇ…


「カズネ…聞いてるか?」
「ああ、ゴメン。ちょっとボケっとしてた。ええとなんだっけ?」
「…最近異端者が街をうろついているらしい。」
「異端者?どんな?」
「外見は子供なんだがどうやらもうすでに何人も大の大人を殺しているらしい…」
「は?子供が?ハハハ…無理だろう?尾ひれがついた噂だろ?」
「…気をつけろよ。」
「心配する必要ないよ、トラブルには首を突っ込みたくないし。危なかったら逃げるし。」
「…お前のそーゆー所が心配なんだ!!」


どーゆー所が心配なんだろう…


「全く…心配症な…まあ呑みなよホラホラホラアッ!!」


タキのコップにドクドクと酒を入れるとタキはぎょっとした顔でコップを凝視した。


「おいおいおいおい!!」
「んじゃ僕帰るから。」


これ以上いたら本当に色々と言われそうなのでとっとと帰ることにした。余計なお世話だよ全く。


自分で言うのもなんだが僕は性格は悪くない。ただしつこく迫ってこられるとイライラしてくる。優しくするのがめんどくさくなるのだ。ついつい酷いことをしてしまう。


「はあ…こーゆーとこ嫌い…」


ぼそりと呟くがそれに対して突っ込んでくれる人間もいないのでただの独り言になってしまう。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ