キリリク小説
□宴の後
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「うっしゃーーー!!終わった!やっと終わった!ひゃっほう!」
「はしゃぎすぎだよ。」
気持ちはわかるけどね。
長かった結界強化の仕事が終わったのだ。皆は徹夜明けのせいか異様にハイテンションになり、作業場のあちこちでこれからの予定を話し合う声が聞こえる。
僕はやっとジュライとゆったり過ごせる…
そもそもこんな長期間にわたって仕事をするはめになったのは、あの、いまいましい百回殺してもあきたらない、ドゥーサの奴らのせいだ。特にあの片目が赤い奴!!いつかまた会う日があったらグログロのグチャグチャに…
「おーい、カズネ。せっかく仕事終わったのにそんなこえー顔すんなよ…」
おっと、気付かぬ間に怖い顔になっていたようだ。危ない危ない。これから家に帰ってジュライに晩御飯を作るのだから怖い顔では駄目だ!そんな顔で作るご飯は邪悪なもの!!料理は笑顔で!!
「ありがとう…セリ。あやうく僕は邪悪な料理を作るところだったよ。」
「お前は誰を呪い殺す気だ…」
呪い殺せるものなら片目赤い奴を呪い殺してやりたい。
・・・・・・・
どうやら僕は思ったより機嫌が悪いようだ。きっと入院中見た悪夢が拍車をかけている。
こんな自分、ジュライに知られたくない。きっとジュライの笑顔を見ればきっとこんな自分は消える。
はやく帰りたい…
そんな時僕の耳に入ってきた言葉は僕を愕然とさせた。