03/18の日記

23:53
17日にコメントを下さった方へ
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朝、目が覚めたらいつもよりも調子が良かった。
テレビをつけたら、自分の星座が占いで一番だった。
目玉焼きを作ろうと卵を割ったら、黄身が2つ入ってた。


何て事はない事だけど、何故だかとっても嬉しくて。
だから、いつもよりも多く笑っていたんだと思う。






























「どうかしたんですか」

竜崎の声。
突然のその声にキッチンへ向かおうとしていた足を止めて後ろを振り返れば、
さっきまでと変わらず竜崎はソファーに座ったままモニターを眺めていて。
私は、訳が分からず首を傾げた。


「何がですか?」


そう問うけれど、竜崎がこちらを見る気配は全くなくて。
何となく、私は居心地の悪さを感じる。
竜崎の問いの意味が分からなくて、所在無げに天井に消えた自分の言葉に、クシュッと顔を顰めた。

瞬間、クルリと竜崎が私に向き直る。
下から見上げるような強い目に、思わずドキッとした。


「駄目です、変えたら」


強い否定。
意味が分からず、首を傾げる。


「だから、駄目だと言っているんです。さっきまでと全く違うじゃないですか」
「何がですか?」
「気づいてないんですか?」


非難を繰り返す竜崎に問えば、驚いたように竜崎が私に問い返す。
言われている事の意味が分からなくて、また首を傾げれば、
竜崎は自分の口元を指差した。





「今日は、いつもよりも笑顔が多いんです」





竜崎の言葉。
「え。」と声を漏らせば、


「だから、何か良い事でもあったのかと思ったんです。………私の知らない間に」


と、竜崎が呟いた。


「りゅ、竜崎?」
「別に良いんですけどね。貴女が笑顔なのは私も嬉しいですから。
ですが、その笑顔の理由が分からないのは…どうにも気分が悪かったので…」
「…えっと、」


竜崎の言葉に、私は思うように言葉が出せない。
何て言えば良いのか考えていたら、竜崎がジッと私を見つめたまま、ゆっくりと口を開いた。


「どうやら、私の気の所為だったようです」
「へ?」
「いえ、気にしすぎ…と言った方が正しいかも知れません。どうにも、
貴女の事になると思考能力が低下する傾向にあるようですね。不思議です」


そう言って、また食い入る様にモニターを眺める。
けれど、その様子は先程と違って何だか照れ隠しのようにも見えて。
私はクスクスと声を漏らした。



朝、目が覚めたらいつもよりも調子が良かった。
テレビをつけたら、自分の星座が占いで一番だった。
目玉焼きを作ろうと卵を割ったら、黄身が2つ入ってた。

些細なことだけど、何だかとっても嬉しくて。





でも、何よりも。





今、目の前のあなたが、





そうやって照れている事が、





私は、とっても嬉しいです。



終。

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