岩及のお話とか(仮)20160624up

□6月10日
1ページ/3ページ

6月10日。
ありふれた金曜日だけれど、俺にとっては一年に一度の大事な日だ。
日付が変わった瞬間におめでとうを言って、プレゼントはまた夜のお楽しみにね!なんて言って、いつも通りに学校に行って。
朝練して、授業受けて、昼休みにはいつもより岩ちゃんのお弁当豪華だよね〜…ってつまみ食いして怒られて。
じゃあまた部活でねって別れて。
その間も、誰も何も言って無かったし、怪しい動きも無かった…はず。
なのにいつの間にっ!?てびっくりだよ…。


「及川遅ぇよ!」
「え?なになになになに!?」
「いいからいいから!」
放課後、体育館に入るなり、マッキーに拉致られた。
連れて行かれた先のコートにはレギュラーメンバーが並んでいる。
ていうか、何でまっつんにがっちり羽交い締めされてんの岩ちゃん!
「なにこれ?」
「…知らねぇ」
「あ、とりあえず及川はこれな」
もぞもぞとマッキーが俺の頭に何かしているのは分かる。
つか、まっつんはニヤニヤしてるし、国見ちゃんは目線を合わさないようにしつつ目が笑ってる。
矢巾や渡っちも横向いてるけど肩が震えてんのバレてっからね!
金田一は固まってるけど…同じレベルで岩ちゃんも目を見開いて固まってんだけど何これ怖い。
俺の頭に何があるの!?確かめたくても俺の腕はマッキーががっちりホールドしてる。
つか、固まってる岩ちゃんにまっつんが何かたすきをかけてる。
「あ」
岩ちゃんがかけられたたすきには『本日の主役』の文字。
いや確かに今日は岩ちゃんのめでたい18回目のお誕生日だけども。
「俺らからの誕生日プレゼントは及川な!」
「え?何それ初耳!?ていうかそれ俺が言わなきゃな台詞じゃね!?」
「悪ぃな、それ返品するわ」
「即答!?」
マッキーの台詞に思わず突っ込むと、岩ちゃんがまた真顔で答える。
返品不可だよコラ!
「花巻、それじゃ意味わかんねーって」
まっつんが笑いながら俺を見て、岩ちゃんを見て、ぐるりとメンバーを見る。
「今年の俺らからの誕生日プレゼントは、岩泉に及川のトス打ち放題、3枚ブロックに花巻と渡のレシーブ付きの練習時間な」
「監督とコーチの許可もちゃんと取ってっから!」
ニシシ、とマッキーが俺の真似してダブルピース決めて笑いながら俺にボールを渡してきた。
「それはいいけど矢巾足りなくない?」
コートの前衛にまっつんと金田一と国見ちゃん。
後衛にはマッキーと渡っち。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ