岩及のお話とか(仮)20160624up

□誰だって秘密基地がある
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少年には、誰にだって秘密基地が存在する。
それは少年達の大事な大事な秘密であって、大人には知られたらいけない内緒の事柄なんである。



『え?でも私…二つは知ってるし』
ケロリと少し年の離れたの姉が言う。
『え!?なんでっ!?』
僕も、はじめちゃんも、そりゃあもう…慌てた。
だってお姉ちゃんは放課後は、まったく違う場所で遊んでたはずだから。
くすくすと、笑うお姉ちゃんと対照的に僕らはだんだん顔がひきつってきて。
『ま、親には言わないから大丈夫〜今度中見せてね〜♪』
ひらひらと手を振って、お姉ちゃんは隣の友達のとこへ行ってしまった…。



『…やばいな』
『うん…やばい』
ひそひそと、僕らは顔を突き合わせて相談を始めることにした。
…秘密基地は、実際は三つある。
お姉ちゃんが知ってると言っていたのは二つ。
せめて一つは死守しなければ。
『やっぱ第一秘密基地はばれてんじゃね?』
はじめちゃんが呟く。
確かにあそこは工事の使わない資材置き場で、その中の土管を拝借しているんだけれど…通学路に近いわ、公園への近道の側だわ…見つかってる可能性は一番高い…。
『あ、じゃあもう一つは原っぱかな…』
第一秘密基地から50メートルも離れていないし…放置されている原っぱの中に第二秘密基地があるのだ。
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