*short story*
□恋愛経営コンサルタント
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相談、とは幾分度胸がないと出来ないものである。
その度胸が、運命を左右させたりする――
万事屋の応接間。
机を挟み、向かい合わさったソファに客が1人。
カチッとしっかり着こなされた黒い制服を纏ったアイツ。
……真選組の、鬼の副長ともあろう奴がそこに身を縮めて座っていた。
「……なァ、万事屋……その、……」
「……あのね多串くん」
「…………」
俺は彼の向かいのソファに、机に足を上げて座る。
土方は相変わらず、らしくもなく下を向いたまま俯いている。
昼間の気だるさに俺は盛大な欠伸をしながら目線を横にやって土方に言ってやった。
「『好きな奴がいる、どうしたらいい』なんて真顔で言われてもォー……ここ万事屋というトコでねー、恋愛お悩み相談室じゃないのよー?銀サン困るんだけどー」
すると反射的に彼は立ち上がり恥ずかしさに赤らめた顔を上げて、何か言おうとする。
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