★Shaman King★
□revoir[〜revise
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「あたし、あわやりんごが見たいだけだから」
『オイラだってボブが見てえだけだ…』
お世辞にも広いとは言えない部屋には二人だけ。
『しかし…よく紅白出れたよな、あわやりんご』
「ボブこそ……変な歌」
痛烈のひとこと.
『いや、お前の方こそ』
負けじと言い返す.
ぎこちないなりにも、ぽつりぽつりと会話は続いていく.
『おっかなくねぇか、りんご?』
少なくとも、正直言ってオイラはかなり恐いと思っていた.彼女の思いを耳にするまでは.
「見た目だけよ.りんごがあのような装束を着て恐ろしいふるまいをするのは、臆病な自分を隠すため.この詩も、本当はとてもやさしいうた」
初めて見た、彼女の優しい横顔.
ここで気付いた.あぁ、そうだったのだと.
『お前と同じで――か』
「なっ――!」
『なんとなくわかるよ.ここに来て、もういろいろあったからな.大変だな、お前も.わかるんだろ、人の心が.』
「――!!……ならばもう良いだろう.あたしといると、ロクなことがない.昼間のことでも.それに――お前もこの力を気持ち悪いと思っているのだろう?だからお前も早々と――」